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初診の際の治療の流れ
不妊治療で鍼灸院に行く場合、どのような治療をされるのか心配なことだと思います。
ですので、ここではあなたに馬場聖鍼堂での治療の流れをご紹介していきます。
まずそのまえに、一つだけあなたにお伝えしておかなければならないことがあります。
それは、あなたのことを当院では「ゲスト」と呼ばせていただくということです。
通常、治療院では、来院される方のことを「患者」と呼びます。
ですが、「患者」というのは「患った者」と書きます。
こうした呼び方は、人の潜在意識に知らず知らずに影響を与えます。
ですが、あなたは不妊で当院に来院されるかもしれませんが、不妊は病気ではありません。
何らかの理由で子宮がないなどの器質的な問題がないのであれば、ただ単純に他の方よりも妊娠しづらいだけなのです。
ですので、当院では、あなたのことを「患者」とは呼ばずに「ゲスト」とお呼びしています。
些細なことかもしれませんが、とても大切なことですので、ご理解ください。
また、これからご紹介する内容は、あくまでベースとなる内容です。
実際の治療は、あなたの心と体の状態に合わせて行っていきますので、あなたの体質次第では若干変更することがありますので、ご了承ください。
それでは、馬場聖鍼堂の体験治療ツアー、スタート!
治療院に来院されましたら、最初に行うことは問診です。
あらかじめ待合室で問診票に記入していただいた内容につきまして、詳しく問診を行って、あなたのお体が現在、どのような状態なのかをチェックします。
問診の際には、不妊に関することをお伺いするわけですが、とてもプライベートな内容も含まれます。
ですので、専門のカウンセリングルーム、もしくは他のゲストの方がいらっしゃらないブースで問診を行わせていただきます。
恥ずかしがらずに、ご自身のことで思っておられることをしっかりとお伝えくださいね。
問診の際には、今まで頑張ってこられた心のたがが外れて、泣き出してしまわれる方もいらっしゃいます。
大切なことは、あなたの心の壁を取り払うことです。
思ったことは、何でもおっしゃってくださいね。
また、上記理由もあり、初診問診には90分程度の時間をかけて行います。
それだけ詳しく、あなたのお体のことをチェックさせていただきますので、初診の際には時間にゆとりを持って来院ください。
問診終了後は、東洋医学的な診断に入っていきます。
最初は、あなたの顔色や舌の状態などを診させていただいて、診断を行います。
こうしたことは、漢方では、望診、舌診といって、これを診ただけで、あなたの体のアンバランスな部分がある程度分かります。
ですので、初診の際には、お化粧はせずに来ていただくか、軽めにしておいてください。
また、舌の状態をチェックするためにも、コーヒーなどの舌に色のつくものを直前にお召し上がりにならないように注意してくださいね。
そうしたことは、誤診につながりますので、よろしくお願いします。
そして、次は脉診(みゃくしん)というものを行います。
僕たちが東洋医学的な診療を行う際には、CTやMRI、エコーなどを用いることができません。
では、どのようにしてあなたのお体の中の状態を知るのか?というと、脉診という手法を活用します。
これは、通常の脈拍を撮る部分の脉をみて、漢方的な診断を行っていくものです。
そこに現れる脉の打ち方や流れ方があなたの体の各部分に対応しているのです。
また、心の状態などもそこで読み取ることができますので、非常に詳しく診察していきます。
こうした脉診を行うことで、あなたのお体がどのような状態になっているのか?ということを正確に判断し、実際の治療に繋げていきます。
脉診が終わった後は、腹診を行います。
これは、あなたのおなかの状態をチェックさせていただくものです。
漢方では、お腹の張りや痛みによって、あなたのお体の状態をチェックする方法があります。
ここに、体のアンバランスな部分の情報が現れ、それを読み取って、実際の施術の際に活用します。
不妊の方の場合は、特に下腹部が冷えていたり、押さえると痛みがあったりします。
治療後に、そうした反応が改善していればオッケーですので、わかりやすいですよね。
続いて、背中のツボをチェックします。
背中には、あなたの体の中の情報をダイレクトに伝えてくれるツボが沢山あります。
ですので、そうしたツボを刺激して、どのような反応があるのかをチェックしていきます。
その際には、一つひとつのツボを押さえていくのですが、痛みがあったり、痛き持ちよかったり、まったく何にも感じなかったりすることがあると思います。
そうしたそれぞれの反応が、あなたの体の情報を伝えてくれていますので、我慢せずに僕たちに伝えてください。
ちなみに、痛みがある場合はそこに悪いものが停滞していることを現しており、逆に押さえられると気持ちいい場合はそのツボが弱っている証拠です。
ちょっと意識して、ご自身の体の声を聴いてみてくださいね。
また、こうしたツボのチェックは、マッサージではありませんので長時間は行いませんが、一つひとつのツボに刺激を与えていくため、このチェックを行うだけでも体が楽になる方もいらっしゃいます。
そうしたご自身の反応もチェックしてみてください。
問診と東洋医学的な診断が終了しますと、まずは一段落です。
色々な種類の診断法を活用するのは、それぞれの情報を活用することで、あなたのお体のことを多角的に診断することが出来、誤診をふせぐためです。
ですので、一部の診断法しか使っていないような治療院には注意してくださいね。
そして、ここまでの情報を収集し終わったところで、あなたのお体が現状どのような状態で、どうなっているのか?ということを漢方的に説明させていただきます。
こうした説明は、漢方的な概念に基づいて説明しますので、あなたが不妊専門クリニックなどで受けたような説明とは少し違った形になると思います。
ですが、西洋医学は西洋医学としてプロフェッショナルな治療を提供していますし、東洋医学は東洋医学として専門的な治療を提供していきます。
切り口は違いますが、あなたのお体をしっかり理解して、少しでもいい方向に向けていこうという思いは同じですので、ご安心くださいね。
ただ、分からないことや不安なことがある場合は、いつでもご質問ください。
大切なことは、ゲストのあなたと施術者である僕たちとの信頼関係です。
それがうまく築けないと治療効果も上がりにくくなります。
ですので、遠慮なくご質問くださいね。
お待たせしました!
いよいよ施術に入っていきます。
とその前に、施術に関しては正確にツボの場所を見つけていくことがとても大切になります。
こうしたツボの選択がほんの数ミリ違っただけで、治療効果がまったく変わっていきます。
ですので、正確なツボをチェックさせていただいて、あなたの治療効果をよりよいものにするために、ツボのチェックを個別に行う場合があります。
左右のツボの反応の差や、施術するためのツボの状態がどうなっているのか、など。
施術には、細心の注意を払って正確に行うことを重要視していますので、そこまで詳しい診断となります。
そうした際には、痛みがある場合は正直にお伝え頂くなど、ご協力くださいね。
さて、正確なツボのチョイスまでいきますと、いよいよはりきゅうの施術となります。
鍼を刺す際には、鍼管(しんかん)という特殊な道具を用いて、ほとんど痛みを感じないようにしています。
ただし、切皮(せっぴ)といって、鍼が皮に刺さるときに、一瞬チクッとすることがある場合もあります。
ですが、それも一瞬のことで、ほとんどの場合、ほとんど痛みを感じずに鍼が入っていきますので、ご安心くださいね。
ただ、とても繊細な方で非常に痛みに敏感な方もいらっしゃいます。
そうした方のために、より細い鍼や刺さない鍼などを用意してありますので、どうしても我慢できない場合は、遠慮なくお声かけくださいね。
また、お灸による治療もあります。
不妊の場合、冷えが影響していることも多くあります。
そうした際には、お灸を用いたりします。
そこで気になるのは、熱くないのか?跡は残らないのか?ということですよね。
ですので、当院でお灸を行う際には灸点紙という特殊なシールの上に行います。
昔のお灸は、直接肌の上にお灸をすえたりしていたので、お灸の跡が残ったり、非常に熱かったりして大変だったのですが、こうした特殊な道具を使うことで、体に優しい治療になるんです。
ですので、安心してお灸を受けてくださいね。
お灸は、特に体の弱っているところに有効です。
温めて、そのツボの働きを活性化させるわけです。
また、昔のお灸は、艾(もぐさ)を山のように使っていたのですが、当院で行うお灸は半米粒大といって、米粒の半分程度の大きさの艾を使って治療を行います。
ですので、一瞬で燃え尽きてしまうのですが、その際に一瞬チカッと熱さを感じる場合があります。それは効いている証拠ですので、安心してくださいね。
そして、お灸の場合は、一回で終わりではなく何回か続けて施灸します。
これは、ツボの状態によって数を変えるのですが、あなたにあった刺激の治療を行いますので、心配は無用です。
ツボが弱っていると最初は熱さを感じないのですが、治療を続けるに従って、徐々に熱さを感じるようになります。
そうなってくると、体が活性化してきている証拠です。
感じなかったものを感じるようになったということは、ご自身の体が変化し始めた合図ですので、覚えておいてくださいね。
これらの鍼やお灸の施術が終了しますと、置鍼(ちしん)というものを行います。
これは、体に鍼を刺したまましばらく置くということで、この間に体中の気の流れが改善し、じんわりと治療効果が出てくるのです。
ガンガンきつい刺激を行う方法もあるのですが、当院ではできるだけマイルドな刺激であなたのもっている自然治癒力を引き出し、体質改善を促したいと思っていますので、こうした手法をとっています。
鍼をしばらく置くとなると不安に思われるかもしれませんが、実際には鍼が入っているのは数ミリ程度ですので、関係のない神経などを刺激することなどはありませんので、ご安心ください。
効果チェック
治療を行った後は、効果のチェックです。
東洋医学的な効果チェックはどのように行うのか?というと、最初に行ったのと同じように脉診で行います。
東洋医学では陰陽という考え方を大切にします。
女性は陰で、男性は陽、そして、体の右は陰で、左は陽です。
ですので、女性の方は右手から、男性の方は左手から脉診を行います。
そちらの方に体調の情報が出やすいんです。
といっても、片手だけを診て脉診を終えるわけではありません。
きちんと反対側の手もチェックします。
なぜなら、右手は右半身、左手は左半身の情報も現しているからです。
あなたの体のバランスをしっかりと整えていくために、きっちりと両手をチェックしていく必要があるんですね。
ちなみに、お子さんを授かられて安定期に入りますと、脉診を行うことで男の子か女の子かが分かります。
多くの方が妊娠後も治療を継続されて、そうしたことを聞いてこられます。
興味がある方は、そうした際にぜひお声かけくださいね。
治療の微調整
上記流れの終了後、あなたの体のバランスが調っていて、体質改善の方向に向いていれば、そこで治療は終了です。
ですが、ちょっと気になる部分が残っている場合、より一層治療効果を高めるために、治療の微調整を行います。
こうしたものは、刺さない鍼で行うことが多いです。
まず一つ目は打鍼(だしん)。
これは、鎌倉時代に日本で編み出された治療法を現代人の体に合うように進化させたものです。
先の丸い鉛筆ぐらいの太さの鍼を使って、お腹に施術を行います。
腹診のところでも書きましたが、お腹にはさまざまな情報が現れ、それが体内とリンクしています。
そうした反応が残っている場合、打鍼を使ってその反応を取り除くのです。
当然のことですが、この鍼は刺さない鍼です。
槌で鍼をトントンと叩いて、その刺激をお腹に伝えていきます。
多くのゲストの方は、"気持ちいい"とおっしゃっていただき、とても好評です。
最後に、この治療を行いますので、あなたも楽しみにしていてくださいね。
もう一つの刺さない治療は、てい鍼(しん)です。
これは、中国発祥の数千年の歴史のある鍼で、実際に金や銀の鍼を使って治療を行います。
金や銀という素材は、非常にからだとの親和性が高く、気の流れの調整に効果が高いのです。
これも細めの鉛筆ぐらいの太さの鍼で、もちろん体に刺すことはしません。
皮膚に当てて、気の流れをよくするために用います。
こうした治療を最後に行って、体の気の流れを調整することによって、より一層の治療効果を引き出します。
ただし、こうした治療は、必要に応じて活用しますので、いつも行うわけではないことをご了承ください。
馬場聖鍼堂の楽しみ方
どうでしたか?
ここでご紹介させていただいた治療の流れは、初診の方に対してのものです。
はりきゅうでは、ドーゼ(刺激量)というものがあり、初めてはりきゅうを受けられる方にあまり強い刺激を行うと「はり当たり」「灸当たり」という症状が出てしまう場合があります。
マッサージでいう「もみ返し」のようなものです。
ですので、二診目以降には、この流れにへそ温灸や温石(おんじゃく)、そして、背中のツボへの施術をプラスしていきます。
ですが、最初は、こうした流れであなたの体の動きをチェックさせていただいて、無理のない形で体質改善を行っていきます。
ですが、敏感な方の場合、帰った後で、少しからだがだるくなったりする場合もあります。
そうした情報は、二診目以降の刺激量を決めるとても大切な情報ですので、次回来院された際には、必ず僕たちに伝えるようにしてください。
そうした中で、あなたにとってベストの治療を提供できるように細心の注意を払わせていただきますので、よろしくお願いします。
また、治療後、あなたの体にとって有益な養生法や自宅でのお灸の指導を行わせていただく場合もあります。
僕たちから指導を行う場合もありますが、もし、ご自身でお灸をしてみたいなどと思われた場合は、遠慮なくお声かけくださいね。
あなたにあったツボをチェックさせていただきます。
そうしたなかで、あなたの体質改善を加速させて、一日も早くお子さんを授かることを僕たちは目標としています。
ぜひ、一緒に頑張っていきましょう!
また、馬場聖鍼堂のことをもっとよく知っていただくために、馬場聖鍼堂の楽しみ方という小冊子を作っています。
治療院で手にとっていただくこともできますが、こちらからダウンロードしていただくことも可能ですので、ぜひ初診で来院される前に、目を通していただければと思います。
それでは、あなたにお会いできることを楽しみにしています。